1978年に運用を開始した気象衛星「ひまわり」(1号)は、 可視と赤外の2つのバンド (波長帯) の観測をしていた。 その後、センサーの世代交代につれて、バンド数がふえてきた。 すでにあるバンドが分割されたばあいも、それまで観測されていなかった波長帯が追加されたばあいもある。
2015年7月から運用された8号、現在運用されている9号では、 16個のバンドで観測をしている。
そのうち、可視と赤外のバンドをひとつずつとりあげるとすれば、 可視の代表は バンド 3 (波長 0.64 µm 付近、 他のバンドよりも空間分解能がこまかく観測されている)、 赤外の代表は バンド 13 (波長 10.4 µm 付近) がよいだろう。
気象衛星「ひまわり」に関する解説などはつぎのところにまとめられている。
各時点での最近の約1日半の画像を、つぎのところで見ることができる。
上右側のタブで「可視画像」「赤外画像」「水蒸気画像」「トゥルーカラー再現画像」「雲頂強調画像」を選択できる。
残念ながら、過去の画像は気象庁ウェブサイトからは提供されていない。
JAXA の EORC (地球観測研究センター) では、 JAXAが開発・運用している衛星のほかにも、さまざまな衛星による観測データを加工・提供している。 そのうちに「ひまわり」によるものもある。
このサイトは、ひまわりからの観測値を加工してえられた、 海面水温、エアロゾルの光学的厚さ、地上の日射量、などの 地球上の物理量の推定値を提供するのが主要機能である。 しかし、左側メニューは日時指定だけつかい、 右の「表示設定」のメニューの中の「背景設定」で「ひまわり可視画像」「ひまわり赤外画像」を選択して それだけを見ることができる。 「地理情報」で「海岸線」「経緯度線」をかさねる指定 (ボタン型) ができる。 「中心位置・ズームレベル指定」ができる。
主として可視画像を提供しているが、左上のメニューから「24時間地球」を選択すると バンドを選択することができる。可視の代表としてバンド 3、 赤外の代表としてバンド 13を見るとよいだろう。
【なお、NICTでは、研究者むけの衛星観測データ提供もしているが、 わたしはまだそのくわしい内容をしらべていない。】
CEReS ウェブサイトでは、ブラウザで画像として見る人むけの機能はあまり整備されていないが、 つぎのページがある。
上のほうに最近の動画があるほか、 下のほうに、最新の1回だけだが、 ひまわり9号の全部のバンド (波長帯)の、緯度経度になおした画像がある。 可視の代表として EXT01 (気象庁のいうバンド 03)、 赤外の代表として TIR01 (気象庁のいうバンド 13)を見るとよいだろう。
CEReSでは、ひまわり画像の緯度経度座標への位置合わせずみのディジタルデータを提供している。 増田が別の教材ページでだしている画像は、 そのサイトからダウンロードしたデータを加工したものである。 ダウンロードには「FTP」という通信方式をつかっており、ここでは説明しきれない。 卒業研究や自主研究でつかってみたい人には個別に説明する。
1990年代、菊地 時夫 先生がつくり、当時は重要なウェブサイトだった。 2012年に菊地先生が亡くなったあと、複数の先生がたによって維持されているが、 それ以後の新しい機能はないようだ。 ホームページから、最新の画像がいくつかの定型に加工されたものを見ることができる。 【過去のデータが保存されているのが有意義だが、研究者むけといえるだろう。】
国立情報学研究所の 北本 朝展 教授がやっているウェブサイト。
台風のひとつひとつについて衛星画像をしめしていることに特徴があるサイト。
通常のひまわり画像は、 ホームページ右側の「静止気象衛星画像（地球）」の下に最近の時期の静止画像や動画があるほか、 ホームページ左側の「気象データベース・アーカイブ」「動画アーカイブ」「雲画像」のリンクさきに 過去の月ごとの動画がある。 ただし、(「ひまわりRGB」以外の) カラー画像は、衛星から見えた色ではなく、 雲のないところは地表面分類の地理データにもとづいて色をつけたものであることに注意。