「地学 II」2024年度 期末レポート課題 第1部

7月16日の授業のときには 問いB の ΔT_F の値がぬけていました。 授業中に説明し、授業後に補足しました。

問い A

気候システムのエネルギーの正味の収入が、 地球の表面積あたり・単位時間あたりのエネルギーの流れとして、 一定値 F [SI単位は W/m²]である状態が、 時刻 t = 0 から、 ここでかんがえる期間のあいだ、持続したと仮定する。

問題を簡単にするため、 単位面積あたりの数量は、緯度・経度によらず同じであると仮定する。

問い B

問い A の状況で、F = 1 W/m²、ΔT_F = 2 K であるとして、 つぎの (a) .. (g) のそれぞれの層のばあいについて、 t_F の数値を求めよ。 まず SI標準単位である 秒 (s) をつかって示すこと。 単位を変えてもっと感覚的につかみやすい表現があればそれも示すこと。

数量の値をもとめるには、数量の単位を SI 標準単位 (m, kg, s, K のかけざん・わりざんで組み立てられた単位) にそろえて 計算するのがよい。 問題文であたえた数量の単位 (g, cm, hPa など) はかならずしも SI 標準単位でないので、 必要に応じて換算をすること。

• (a) 深さ h = 4 km の水の層 (海洋の全層を想定)。 水の比熱容量 c を 4 J/(g K)、密度 ρ を 1 g/cm³ とする。
• (b) 深さ 500 m の水の層 (海洋の風成循環がおよぶ深さを想定)。 比熱容量、密度は (a) と同じ。
• (c) 深さ 100 m の水の層 (海洋の季節変化する混合層の冬の深さを想定)。 比熱容量、密度は (a) と同じ。
• (d) 深さ 100 m の土壌または岩石の層。 土壌または岩石の比熱容量 c を 1 J/(g K)、 密度 ρ を 2 g/cm³ とする。
• (e) 深さ 10 m の土壌または岩石の層。 比熱容量、密度は (d) と同じ。
• (f) 深さ 1 m の土壌または岩石の層。 比熱容量、密度は (d) と同じ。
• (g) 大気の対流圏。 空気の比熱容量は、水蒸気をふくまない空気の定圧比熱容量 c_p の概算値 1 J/(g K) で代表させる。 単位面積あたりの層の質量 M_A は、 問い A では M_A = ρ h であるが、 ここではρを一定とみなせないので、つぎのように考える。 静水圧のつりあいを前提とすると、 ある高さの面から上にある大気の単位面積あたりの質量に重力加速度をかけたものは、 その面での気圧にひとしい。 対流圏の上端 (対流圏界面) の 気圧 p_t を 200 hPa、 下端 (地表面) の気圧 p_s を 1000 hPa、 重力加速度 g を 10 m/s² とする。

問題文以外の情報源を参照するばあいは、 本や論文のばあいは著者名・発表年・題名・雑誌名または出版者などの書誌情報を 論文の参考文献リストの項目に相当する形で、 ネット情報のばあいはすくなくとも URL と 閲覧年月日 (できれば著者名など書誌情報に準じた情報も) を示すこと。