「地学 II」2023年度 第4回授業 小レポート課題

1. ひとつの星から、距離が標準の 1/10、1/2、2倍、10倍のところでの放射照度は、それぞれ標準の距離での放射照度の何倍になるか。 ただし、ここでいう放射照度は、星と自分とをむすぶ線に垂直な平面の単位面積あたり・単位時間あたりに到達する電磁波のエネルギーの量で、 SI 単位は W/m² である。

【[1の発展] 距離が標準の 1/10、1/2、2倍、10倍のところでの見かけの等級は、 それぞれ標準の距離での見かけの等級とどれだけちがうか。たとえば「+3.5」「-0.5」のように答えよ。 (100の5乗根を 2.5 と近似してもよい。ただしこの近似をつかったときはそのように明記すること。)】

2. 星の出す放射を、その表面温度の黒体放射で近似する。 半径が標準と同じで、温度 (絶対温度) が標準の 1/2、2倍の星の放射光度は、それぞれ標準の星の放射光度の何倍になるか。 ただし、放射光度は、星の表面全体が単位時間あたりに出す電磁波のエネルギーの量で、SI 単位は W である。

【[2の発展] 温度が標準の 1/2、2倍の星の絶対等級は、それぞれ標準の星の絶対等級にくらべてどれだけちがうか。 (答えかたと近似についての注意は [1の発展] と同様。)】

• 「発展」の課題は、小レポートとして答えを要求するものではない。 星の数量をあつかうことに関心のある人はやってみてほしい。
• このような問題のときかたとしては、 物理量の次元をもつ数量 (放射光度は W、放射照度は W/m² のような単位をともなう数値) を具体的に計算する方法と、 標準のばあいに対する倍率を計算する方法とがある。 フライシュ、クレゲナウ 『算数でわかる天文学』 の 1.2節では、前者を「絶対法」、後者を「比率法」と呼んでいる。 今回の問題は (彼らの用語でいえば)「比率法」で答えることを想定してつくった。 「絶対法」で考えるためには、標準のばあいの放射光度や放射照度の値をも与えることが必要である。