2024年度 中間レポート 課題

([2023年度 中間レポート 課題] と基本的に同じです。 ただし、2事例以上とすることだけ変更しました。)

日本の気象庁によるラジオゾンデ観測のなかから、 地点・日時の組みあわせを 2事例以上 えらんで、 つぎの量の鉛直分布を図化し、事例間の比較をしてみててください。 (同じ日時の地点間の比較でも、同じ地点の日時間の比較でもよい。 同じ軸のとりかたのグラフを見くらべてわかる特徴をのべればよく、 差や比を計算することは要求しない。)

• (1) 気温 T と 露点温度 T_d
• (2) 風速の 東西成分 (西風が正) u と 南北成分 (南風が正) v

縦軸を鉛直方向に対応させ、気圧 p の対数目盛り、 または、ジオポテンシャル高度 z (おおまかには高さと思ってよい。くわしくは力学の回に説明する) をとる。 (なお、気象では気圧座標をつかうほうがふつうである。)

Python による作図のしかたを [高層気象観測データの鉛直プロファイルのグラフ (Pythonによる試作)] のページで説明した。 Python をつかわない人も、考えかたを参考にしてほしい。

(風の南北成分の作図プログラムは用意していないが、東西成分のばあいからどう変更するかはしめしてある。)

Excel などの表計算ソフトウェアによる方法の概略を [高層気象観測データの鉛直プロファイルを表計算ソフトウェアであつかう] のページでのべる。

方眼紙に手がきして、結果を画像ファイルにしてもよい。 ただし画像ファイルの大きさが巨大になりすぎないように (1メガバイト以内)に、 しかし不鮮明にならないように注意。

気象庁ウェブサイトからのデータの取得のしかたについても、上記のリンクさきを参照してほしい。

補足

• 露点温度をもとめるには、気温と相対湿度から水蒸気圧をもとめ、 それが飽和水蒸気圧となる温度をもとめればよい。 そのために、気温から飽和水蒸気圧をもとめる Tetens の式を、代数操作によって、 飽和水蒸気圧から気温をもとめるように書きなおしたものをつかう。 プログラム例には書きなおしずみのものをふくめているので、それをつかってよいが、 各自、書きなおしができるようになっておいてほしい。
• 飽和水蒸気圧をもとめる Tetens の式が、増田の例文 (Python, Excelとも) と 佐藤 (2019) の教科書とでちがう形をしている。 増田のは Tetens (1930) に忠実で、温度は ℃ を単位とする値、指数の計算は 10の何乗という形によっている。 佐藤先生のは、温度は K を単位とする値、指数の計算を指数関数 (つまり、e (=2.71..) の何乗の形) をつかっている。 それで表現がちがっているが、計算誤差の範囲で同じ計算になっているはずである。
• Python のプログラム例をつかってエラーがおきたら質問してほしい。 ただし、かならず答えるという保証はできない。 とくに、データフレーム (DataFrame) と 浮動小数点型 (float) に関するエラーについては、 増田にもよく理解できていないところがある。 レポートしめきりまでに解決しなかったら、 ここまでやってこういうエラーがおきたというレポートを出してほしい。