ssfs_2010さんの「クライメイトゲート事件の最新事情(136)」
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835549&tid=a1va5dea5a4a5ja59a5a4a5aaa5sa1w4fbbkbcbc&sid=1835549&mid=4030
より。
＞・「温暖化で人類は今世紀末に南極にしか住めなくなる」とイギリス政府主席科学官のKing教授。
＞この類の話はサンタクロースと同じで科学的根拠を尋ねてはいけません。CO2温暖化は、信じている人たちの心の中で起こっているのですから。
＞http://www.independent.co.uk/environment/why-antarctica-will-soon-be-the-ionlyi-place-to-live--literally-561947.html
まず、これは2004年5月2日の記事です。それがこの2010年12月になってあちこちにコピーされているのですが、どういうわけなのでしょう。
2007年3月に、William Connolleyさんのブログ「Stoat」の記事
http://scienceblogs.com/stoat/2007/03/the_great_global_warming_swind.php
にDavid Radoさんがコメントしていたところによれば、David Kingさんの発言はイギリス国会でのもので、もとの記録は次のところにあります。
http://www.publications.parliament.uk/pa/cm200304/cmselect/cmenvaud/490/4033002.htm
Fifty-five million years ago was a time when there was no ice on the earth; the Antarctic was the most habitable place for mammals, because it was the coolest place, and the rest of the earth was rather inhabitable because it was so hot.
(仮訳) 5千5百万年前は、地球上に氷がなかった時代だ。南極大陸は哺乳類にとって最も生活しやすい場所だった。そこがいちばん涼しくて、そのほかの地球上は暑すぎてなかなか住めないところだったのだ。
南極大陸が出てきたのはこのような地質学的昔の話の文脈であり、直接に将来予測の話ではなかったのです。また、5千5百万年前の南極大陸の位置は南極点からだいぶ離れていました。ただし、わたしはKingさんの主張を全面的に支持するわけではありません。「南極以外の地球上は哺乳類にとってなかなか住めないほど暑かった」というのは大げさだと思います。したがって、当時について推定されているのと同様な二酸化炭素濃度1000 ppmになると深刻なことになるというKingさんの認識は(そこでは人が住めないとは言っていませんが)、温暖化の脅威を強調しすぎていると言えるかもしれません。Independent新聞の記者はそれを「21世紀末には人は南極以外に住めなくなる」という意味だと思ったのかもしれません。しかし、わたしは、発言者の名前をつけて伝える際にそこまで大きく表現を変えてしまうのは、まちがった報道だと思います。