東京都の武蔵野市で「ムーバス」というバスが走っている。 運行しているのはバス会社だが、市の事業として、運賃体系が別になっている。 バス会社の営業路線から離れた地区の人のために公共交通サービスを 提供するという趣旨のものだ。 バスにしては小型の車両を使い、路線には大型バスが通らない狭い道を含む。 今では似たものがあちこちにあるが、 ムーバスは日本のうちでは早く実現したものだった。 ロゴマークの図案はMoobusという文字列を含んでいるらしい。
あるとき、英語の "Move us" が「ムーバス」と聞こえることに気づいた。 英語を母語とする人から見れば、 b と v が違うのは同じ発音ではないが、似ているとは感じるだろう。 これは偶然ではないだろうと思う。 英語圏のどこかで、 「住民のうちには、歩くのが楽ではなく、自動車を運転することもできない人も多いのだがら、 公共交通サービスが必要だ」という住民運動のスローガンとして、 "Move us!" を "bus" と韻をふんで使ったことは、ありそうだ。 そして武蔵野市での同様な運動のなかで、それが参考にされたのではないだろうか。