(ほとんどの)計算機の中では、すべてのデータを0と1のビットの列、 つまり2進(binary)数で表わしています。 その意味では、すべてのデータが「バイナリデータ」です。
しかし、多くの場合、 画面やプリンタに表示できる文字(を表わす2進値)と、 改行コードというふつうの方法では直接は目に見えない(しかしその位置で データが改行されて表示される)2進値からなるファイルを 「テキストファイル」として別扱いにし、 それ以外を「バイナリファイル」というのがふつうです。 Pascal, Fortran, C言語などのプログラムはテキストファイルです。 電子メイルも多くの場合テキストファイルです。また、この授業で使う例文で 読み書きするデータファイルも、原則としてテキストファイルを使うことに します。
しかし、大量の数値や画像データを扱う場合、テキストファイル にするとかさばるので、バイナリファイルの形で読み書きすることも 珍しくありません。 ただし、バイナリデータの読み書きは(特にFortranや Pascalでは)機種やコンパイラによって方法を多少変える必要がある場合が ありますし、 初級の段階では、数値を目で確認しながら扱ったほうがよいと思います。 したがって、わたしは初級の教材では、 バイナリデータを読み書きするプログラムは説明しません (ブラックボックスとして使うことはあります)。
なお、「バイナリファイル」という用語はもっと狭い意味で、 計算機が実行可能な機械語プログラムをさすことがあります。 Unixで実行可能なプログラム を入れるディレクトリに bin という名前をつけることが多いのはここから きています。